耳なし芳一

ダンディ☆和田

2008年08月02日 20:27

ラグビー観戦で熱くなった心と体をクールダウンさせるため、森町の市街地まで車を走らせ、昨晩から始まった森ほたるで夕涼み。

森ほたるがホンノリと並ぶ通りのところどころで、週末を中心に“見にイベント”が開催されている。

「8時から近くで琵琶の演奏があるよ。」
「え?ラッキー!」

夏至の日のプレイベントで素敵な演奏を披露してくれた浜北在住の薩摩琵琶正派の原さん。
まずは前回と同じ演目『三方原の合戦』。
ベベンベンベンと琵琶で調子をつけながらの謡いは実に味があり、森ほたるで演出された景色によく似合う。

大勢集まった観衆の喝采にアンコール。
披露してくれたのは『耳なし芳一』。
琵琶というとこの昔話を連想する方も多いのでは?

小泉八雲の『怪談』の中の一話であるが、まんが日本昔話で常田富士男さんの名調子で聞いた耳なし芳一は子供心にも鮮烈に印象に残っている。
しかし、それ以外に聞いたことがない。

琵琶にもいくつかの種類があり、耳なし芳一が奏でるのはいわゆる盲目の琵琶法師が平家物語を語り継いでいく“平家琵琶”。
それに対して薩摩琵琶は、文字通り薩摩(鹿児島)にて確立されたエンターテイメント性が強い琵琶の演奏で、色々な物語に琵琶で調子をつけながら節をつけて歌い聞かせていくもの。
講談に実によく似ているなぁ…と思って聞いていたが、どうやら講談の源流は琵琶にあるらしい。

で、その『耳なし芳一』が今、目の前で生演奏で披露されている。

 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

琵琶の調べに乗ってジワジワと話の中に惹きこまれ、背筋ゾワゾワしてきます。

夏の夜にピッタリ!
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